丸紅、ベトナムでフロン回収・破壊事業に参画へ―まず実証実験
2019-10-03
丸紅株式会社(東京都中央区)は、2020年度にハノイ市におけるフロン類の回収・破壊事業への参画を目指し、廃棄家電や大型空調設備などから回収するフロン類の破壊を目的とした専焼炉を途上国で初めて導入し、有効性に関する実証実験を行う。 昨年度に続き、環境省の「二国間クレジット制度(JCM)を利用した代替フロン等(フロン類)の回収・破壊プロジェクト補助事業」の採択を受け、事業費の一部は補助金を充当させる予定。 フロン類は、地球温暖化係数が二酸化炭素の数十倍から一万数千倍に上る。世界全体でのフロン類の排出量は、二酸化炭素に換算すると年間約9億t、将来的には20億t(日本の年間温室効果ガス排出量の1.5倍)を超えると推計されている。 特に途上国でのフロン類の排出抑制対策を進めることは、世界全体の温室効果ガス排出量削減につながり、地球規模の温暖化対策として極めて重要となる。 日本では、改正フロン排出抑制法が今年5月29日に成立した。日本には、ライフサイクル全体にわたりフロン類の排出を抑制する総合的な仕組みがあり、特に回収・破壊においては世界に類を見ない画期的な仕組みがある。 しかし、ベトナムをはじめとする多くの途上国では、フロン類の回収・破壊に関する規制はなく、空調設備や冷蔵庫、自動車などに充填されているフロン類は、最終的には全て大気中に放出されている。空調設備や冷蔵庫、自動車などの普及が進む途上国において、現状のままでは将来的に深刻な環境問題に発展することが危惧される。 丸紅は、実証実験を通じて、ベトナムにおける専焼型破壊設備の有効性を確認し、規制やインセンティブなどを活用したフロン類回収・破壊スキームを確立するために、ベトナム政府などへの政策提言や啓発活動を行っていく。実証実験で有効性を確認した後、ホーチミン市、南中部沿岸地方ダナン市にも展開し、将来的にはその他の途上国で事業化を目指す。 また丸紅は、JCMの枠組みを通じて事業を実施することで、日本の温室効果ガス削減目標達成にも貢献していく。 Viet-jo による [...]