アイカ工業の台湾子会社、ベトナム企業2社を買収・子会社化

化成品や建装、建材、機能材料の製造販売を手掛けるアイカ工業株式会社(愛知県名古屋市)の連結子会社であるエバモア・ケミカル・インダストリー(Evermore Chemical Industry、台湾南投市)は、ベトナムのポリウレタンメーカー2社を子会社化する。

 子会社化するのは、ポリウレタン樹脂・接着剤などの製造販売を手掛けるベトナムU-Best社(U-Best Viet Nam Polymer Industry、東南部地方ドンナイ省)およびポリウレタン樹脂加工品などの製造販売を行うベトナム上曜社(Viet Nam Sum Yad Technology、同)の2社。

 アイカ工業は、2021年3月期を最終年度とする中期4か年計画において、「次世代を担う注力分野の育成・投資」を方針の1つとして掲げており、機能材料事業の拡大と海外展開を推進している。

 エバモア社は、2018年1月にアイカグループ入りした化学会社で、台湾や中国で靴・繊維・日用品用途のウレタン樹脂事業を製造販売している。近年、主要顧客の一部に生産拠点を中国からベトナムへ移転する動きが出ており、ベトナム向けの輸出が増加し、エバモア社は同国の運動靴底用のポリウレタンシステム(PUS)市場においてトップシェアを獲得している。

 一方、ベトナムU-Best社とベトナム上曜社の2社は、隣接した敷地とウレタン樹脂製造設備を保有している。今回の株式取得により、エバモア社は十分な土地と製造設備を手に入れることになり、今後更なる拡大が見込まれるベトナムのウレタン樹脂市場で一層のシェア拡大を目指すことが可能となる。

 今回の買収は、ベトナムU-Best社とベトナム上曜社の2社が所有する土地と設備を手に入れ、エバモア社のビジネスの現地化を図ることを目的としており、事業そのものを引き継ぐものではない。一方で、台湾U-Best社と協力した東南アジア市場での事業拡大も検討している。

 株式取得の形態は、ベトナムU-Best社への出資金の100%を台湾U-Best社からエバモア社が譲り受け子会社化する。また、台湾上曜社が持つ中間持株会社サクセス・インベストメンツ(Success Investments、サモア)の100%の株式をエバモア社が譲り受けることでベトナム上曜社を子会社化する。買収価額は中間持株会社を含めた3社あわせて約9億8000万円を予定している。株式譲渡実行日は2020年1月上旬の予定。

VIETJOより