英系総合不動産サービス会社のサヴィルズ・ベトナム(Savills Vietnam)は2020年4月3日から5日にかけてハノイ市で自動車レースの世界選手権「フォーミュラ1(Formula One=F1)」が開催されることを受け、同市を訪れる観光客が急増すると見ており、この間に4つ星~5つ星ホテルが不足すると予想している。
同レポートは16日に開かれた2019年7-9月期のハノイ市の不動産動向および傾向に関する会議で同社の専門家が発表したもの。それによると、市内のホテル市場はF1開催地である市西部と5つ星ホテルが中心となって牽引していくという。
市西部には現在、同市ホテル市場を牽引する3つ星~5つ星ホテルが存在しており、客室稼働率は80%、一室当たりの平均売上高は103USD(約1万1200円)/泊。7-9月期における同市全体の5つ星ホテルの客室稼働率は82%、一泊当たりの平均宿泊料は142USD(約1万5400円)/部屋だった。
現時点の稼働率等の状況から、国内外の観光客が押し寄せる来年F1グランプリの開催時期には市内の4つ星~5つ星ホテルの不足が懸念されている。今年7-9月期の時点で、市内のホテル数は65軒、総部屋数は約9800室。このうち16軒が5つ星、18軒が4つ星、31軒が3つ星ホテル。宿泊料と収益額は前年同期比でそれぞれ+13%、+16%となった。
7-9月期にハノイ市を訪れた観光客は4-6月期と比べて+4%の720万人。このうち外国人観光客は同+2%の150万人だった。1-9月期では前年同期比+9.4%の2150万人。このうち外国人観光客は同+9.6%の470万人となっている。同市を訪れる外国人観光客を国籍別で見ると、韓国が中国を抜いて最多となり、以下、日本、米国、英国などと続いた。
またサヴィルズはレポートの中で、ハノイ市では2019年以降、新たな3つ星~5つ星ホテルの約5000室が市場に投入されると予想。このうち半数はマリオット・インターナショナルやアコー、ハイアット、フォーシーズンズ、ヒルトンなどが管理するものになるとしている。同社によると、同市を訪れる観光客は国際レベルの高いホテルサービスを求める傾向がある。今後もホテル市場は堅調な成長が見込める一方で、同市では最近、大気汚染の問題が深刻化していることから、更なる観光客の増加を目指す場合、本格的な大気汚染対策が必要になるとまとめた。
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